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CSSハックforFireFox覚書

04. Webデザイン 2010年2月9日 火曜日 16:03:42

複数のセレクターに同じ宣言を共有する場合、h1, h2, h3 { font-style: bold } のようにセレクターをカンマで区切ってグループ化 (Grouping) することができます。
しかし、グループ化したセレクタ群の中に、Web ブラウザーが未対応のセレクターが一つでも含まれている場合、グループ化した別のセレクターも無効化されてしまい、グループ化した全てのスタイルが適用されなくなります。
例えば、h2, div>p{ color:red; } のように宣言した場合、h2 要素と divの子要素の p 要素が赤い文字でレンダリングされます。しかし、IE 6 では子要素を表す > に対応していないため、p要素が赤い文字にならないばかりか、グループ化した h2 要素も赤い文字にはなりません。
このようにグループ化したセレクター群の中に未対応のセレクターが含まれている場合、セレクター群全ての宣言を無効化されることを逆手にとった CSS hack です。
div.sample { color:red; } の宣言を Firefox などの Mozilla 系 Web ブラウザーのみを対象とするにはdiv.sample, x:-moz-any-link { color:red; } の様に x:-moz-any-link をグループに加えます。
:-moz-any-link は Mozilla 系 Web ブラウザーに独自実装されている擬似クラスです。Firefox などの Mozilla 系 Web ブラウザーはこの擬似クラスに対応しているので、div.sample, div:-moz-any-link {} のようにグループ化されたセレクタ郡に :-moz-any-link が含まれていてもこの宣言は有効ですが、その他のWebブラウザーは :-moz-any-link には対応していないため、宣言が無効になります。
また、この例を応用し、Firefox のバージョンアップで追加されていった擬似クラスをグループ化に加えることで、そのバージョン専用を対象とした CSS の宣言を書くことができます。

独自実装擬似クラス 対応バージョン 意味
:-moz-any-link Firefox 1.0 以降 :linkまたは:visitedに該当
:-moz-read-only Firefox 1.5 以降 CSS3 Basic User Interface Module :read-onlyの先行実装。ユーザが内容を変えられない要素に該当
:-moz-broken Firefox 3.0 以降 画像が正しいものでない場合に該当
E:last-of-type Firefox 3.5 以降 兄弟関係のノード中、最後に現れる要素 E。独自実装ではない

div.sample { background-image:url(img/bg00.png); }
div.sample, x:-moz-any-link { background-image:url(img/bg01.png); /* Fx 1.0 以降に適用される */}
div.sample, x:-moz-read-only { background-image:url(img/bg02.png); /* Fx 1.5, 2.0 以降に適用される */}
div.sample, x:-moz-broken { background-image:url(img/bg03.png); /* Fx 3.0 以降に適用される */}
div.sample, x:-moz-broken, x:last-of-type { background-image:url(img/bg04.png); /* Fx 3.5 以降に適用される */}
div.sample, x:x { background-image:url(img/bg00.png); }

最後に x:x としたセレクターにはデフォルト (この例では div.sample { background-image:url(img/bg00.png); } と同じスタイル) のスタイルを適用します。これは、Safari 2 などの一部の Web ブラウザーがグループ郡に未対応のセレクターが含まれている場合でも無視しないための対策

元ネタFirefox 1.0, 1.5, 3.0, 3.5 用の CSS ハック

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